脚本分析 Step.6 シーンをさらに細かく分解する。【ビート】と【アクション】とは?
- 2020.09.15
- 脚本分析

脚本分析方法のStep.1~4まででは、脚本を分析するための三大要素について解説しました。
ここから数回は、脚本を細かく分解して、それを稽古(or撮影現場)で活用する方法を手順を追って解説していきます。
ここからの分析は、今までの三大要素の分析とは少し意味合いが異なります。
- 三大要素(テーマ・大目的・シーン目的)は作品&役の理解のベースとなるもので、的確な方法で導き出せば、分析結果はある種の“正解”が存在する。
- ビートや戦法は、役作り&シーンづくりの過程で試行錯誤するために使う道具であり、正解は一つではない。
リアリスティック演技理論では、演劇や映画などの表現芸術作品において「決められた枠組みの中で創造する」ことを良しとします。
「決められた枠組み」=作者に与えてもらった環境です。
つまり、ある種の正解の枠組みの中で正解のない作品創造をする。
私はこの考え方がとても好きです。決められた枠組みなしで自由に創造するのは楽しいです。でも、枠組みなしの創造は自己満足だと思います。人に何かを伝えたいと思ったら決められた枠組みにしたがってその中で個性を発揮する、そうすることでより多くの人の心に響く、と思います。
演劇や映画では、枠組みは作者の意図→その意図は分析が必要→分析を基に個性を加えて創造するのが俳優の仕事、だと思います。
解説から脱線しましが…。
では、シーンを分解する為の大まかな概要を見てみましょう。
手順
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【ビート】とは?
まず、【ビート】という専門用語を覚えてください。
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【戦法 tactic】とは?
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補足。
今まで解説してきた「脚本分析の際の専門用語」の定義は演技指導者によって少しズレが存在します。述べている理論の根底は一緒なのですが、「使い勝手」の面で様々な定義付けがあり、定義として統一されていません。
例えば、シーンとビートを同じ塊とみなして、ここで私が定義している「シーン」を「ビート」と呼ぶ人もいます。簡単に私の知る範囲での用語の違いをまとめてみます。
栗原使用の用語 | 他の定義・呼び方オプション |
テーマ | 背骨(Spine) |
役の大目的 | 超目標・大目標 |
シーン | セクション・ビート・ユニット |
役のシーン目的 | need/want |
アクション | 意図・インテンション・tactic |
今回はここまでです。次回以降は順に「シーン分け・ビート分けの方法」、「戦法の導き出し方」の解説記事をUPしていきたいと思います。
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