脚本分析 Step.7 【ビートチェンジの見分け方】

脚本分析 Step.7 【ビートチェンジの見分け方】

シーンよりもさらに小さい会話の塊【ビート】の境界線はどこなのか?【ビートチェンジの見分け方】を解説します。

その前に、前提条件として以下のことを理解してください。

各ビートの区切りがどこか?に正解はない。基本的には、演出家が物語をどう観客に届けたいか?によって多少の区切りのズレは生じる。

私は演出クラスでこのビートチェンジの見分け方を教わった時に、先生からこう言われました。

「どこでビートを区切るかにその演出家の個性が出る。」

で、演出家が区切るのならば俳優にビートチェンジを見分ける力は必要ないのか?

いえ、必要です!なぜなら…、

・役を豊かにする為に稽古中に試行錯誤をする際に必要になるから。

・映像作品の場合は役の思考がチェンジする場所(=ビートチェンジ箇所)を撮影前に俳優自身がプランしておかないと成立しないから。

・演劇現場の場合、演出家と俳優の両者でビートチェンジに対して共通認識がないと創造過程がスムーズに行かない。
(*その結果、俳優は演出家の指示通り演じるしかなくなり、創造どころではなくなってしまう。)

では、ここから本題。ビートの定義・区切り方に分けてを整理していきましょう。

ビートの定義

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ビートチェンジを見分ける基準

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補足。【シーンの区切り】

「脚本分析 Step.4 役のシーン目的」という記事で、戯曲を分析する際のシーンの定義は作家が台本に表記したシーンの区切りとは違う、という話をしました。

演劇台本の場合、あらかじめ台本に表記されているシーン分けは時や場所の違いを基準になされている場合が多いです。各シーンのひと塊は大きく、数十ページを1シーンとしますよね。

でも、分析する際にはもっと小さい単位で区切りをつけます。チェンジどころを見分ける基準を以下に記します。

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次の記事では「戦法の導き出し方」を解説していきますね。いよいよ脚本分析の最終章です。