演出 ≠ ≒ 演技指導

演出 ≠ ≒ 演技指導

演出家としての活動をした後に演技指導の仕事を専門にすることになった者として、最近特に思うことがあります。

演出をするということは、演技指導をすることではない。しかし、演出家に求められるスキルの一つは演技指導力なので、演出≒演技指導。つまり、演出能力と演技指導能力の関係は、似て非なるもの(≠)でもあり、ほぼ同じ(≒)でもある。そう思います。

NYの大学院時代に演出クラスで学んだ大きなことの一つは、「演出とは俳優を導くことだ」ということ。Directingという英語の直訳は「導く」です。

私が学んだ、「リアリスティックな演技へと俳優を導く演出法」では、演出家の演技指導能力が問われます。だから、私の通った学校では、演出コースの学生も、他の俳優コースの学生と一緒に演技クラス全般を履修し、俳優として自分の楽器を効果的に使う方法をロジカルに体系立てて学ばされました。

さて、「リアリスティック演技へと導く演出法」で重要視される「導き」とはどんな導きか?

論理的思考&感性を掛け合わせて導くことです。

このロジック(logic) x センス(sense)が大切です。

ロジックとは、①作品&役を観客に伝えるためのロジック、②俳優の楽器が効果的に働くためのロジック、です。

センスとは、①演出家としての芸術的感性、②俳優の持つ感性を最大限に引き出すこと、です。

ここで私が注目したいのは、②のほうです。なぜなら、日本で演出家に求められる能力として①は重要視されているけれど、②についての観念が希薄のように感じるからです。

「俳優の楽器が効果的に働くため」&「俳優の持つ感性を引き出すため」に演出家はロジックとセンスを駆使して演出するべきだと思います。

この能力なしに演出家が俳優と向き合った時に起こりがちなこと、それは…

「演出」が、時には、指図になったり、お願いになったり、ほったらかしになったり。

何が言いたいのかというと…

演出家はロジカルに俳優のセンスを引き出す演技指導能力を身に着けるべき!

だということです。

久しぶりに私見をつぶやいてみました…。

このブログで解説している演技術シリーズ、次は演技ではなく演出術について整理してみようかなと思います。