【ロジカル演出術】⑥ 稽古前準備 1.リサーチ[上演記録]

【ロジカル演出術】⑥  稽古前準備 1.リサーチ[上演記録]

リサーチ項目の3つ目は【上演記録】です。

取り組む作品の過去の上演記録資料を参考に以下のようなポイントに着目してリサーチをします。

  • いつ・どこで?
  • スタッフ・キャストは?
  • 演出スタイルは?
  • ビジュアル要素は?

日本公演でも海外公演でも(初演は必須)、一つでも多くの上演記録を参考にできるとより良いですね。

どうして過去の上演データを知ることが必要なのか?

いくつかの理由があります。

  • 作者の求めている上演スタイル(演出や演技面)を知ることが出来る。
  • 各公演での演出家の意図を分析出来る。
  • 上記の二つをすることで、自分の演出プランが確固としたものになる。

まずは、初演の時の情報を整理することで、作家が求めている理想の上演について知ることが出来ます。というのも、戯曲の初演時には、作家は稽古に参加し演出家とともに作品を創り上げるプロセスを共有することが普通です。その場合、演出家とキャストとともに創り上げた初演は、ある意味作家の意図が反映されやすいはずです。

さらに、過去の多くの上演記録についてのキャストの特徴やビジュアル面(美術・衣装etc.)の資料をリサーチすることで各演出家の演出プランを知ることが出来ます。

なぜ、自分以外の演出家のプランを知ることが「ロジカル演出」に繋がるのか?

「ロジカル演出法」では、ロジカルに脚本分析をした結果を基礎として、それを俳優の演技やビジュアル面での演出プランに反映させることが大切です。演出家はビジュアルプランを考えたり、キャスティングをする時にも常に分析結果を念頭に置いて行うことを求められます。

ロジカル思考を持ち自分の分析結果を念頭に過去の上演記録を紐解くと、「それぞれの演出家がどのような意図をもって公演を仕上げたか」が透けて見えてきます。「作家の意図のこの部分をクローズアップしたいから結果としてこういう舞台美術になったんだな…。」などという風にロジックと絡めて分析が出来るのです。

仮に、とある公演の演出プランで自分の考えとはかけ離れた解釈だと思われるものがあったとします。その場合は、「自分の解釈は間違っていなかったか?」と脚本分析結果を顧みるいい機会にもなります。

脚本分析をロジカル思考なしに行う演出家は、他の演出家のプランを見ても「ああ、そういう解釈もあるよね。」で終わってしまうでしょう。しかし、ロジカルに作品分析が出来ていれば、他プランを違った角度で検証でき、結果として、それが自分の演出プランを深めることに繋がります。

過去の上演記録資料に目を通すことは、自分の脚本分析内容を検証して深めるのに役立つということですね。

次回からは事前準備の2「プロンプトブックの作成」について解説していきます。